脳画像で中心溝を簡単に見つける方法とポイントとは?
◆ 中心溝を同定する意義とは??
中心溝とは大脳皮質にある脳溝の1つです。この中心溝は前頭葉と頭頂葉の境界にあります。
中心溝よりも前には運動野が、後ろには感覚野がありますので、中心溝を同定することで病巣部位が運動野を障害しているのか、または感覚野を障害しているのか、はたまた両方とも障害しているのかがわかります。
代表的な例でいいますと運動野が障害されている場合にはブローカ失語が出現し、感覚野が障害されている場合にはウェルニッケ失語が出現します。
中心溝を同定することでとても重要な障害をも予測することができるので、中心溝を同定することはとても大切なのです。
◆ 中心溝の同定方法とは??
中心溝の同定方法は以下の2つが有名です。
- 帯状溝辺縁枝から同定
- precentral knobから同定
帯状溝辺縁枝から同定する
大脳半球を内側からみると帯状溝は横にまっすぐ走っていますが、途中で上方向へ出てきます。この部分が帯状溝辺縁枝と呼ばれています。
この帯状溝辺縁枝は脳室上部レベルの脳画像で大脳半球内側面にある一番分厚く深い脳溝といわれていますので、簡単に見つけることができます。
そして、この帯状溝辺縁枝を見つければこっちのもの。帯状溝辺縁枝の前外側方向に中心溝の内側部分が位置しています。
precentral knobから同定する
脳画像をよく見ると手指の運動野は後ろに伸びて「Ω(オーム)」を逆さにしたような形をしているのがわかります。
この後ろへ突出している「Ω」のことは precentral knob と呼ばれていまして中心溝を同定する指標となります。
precentral knob を見つければ、その直後に中心溝が位置しています。この precentral knob ですが、「Ω」を逆さにしたような形だけではなくてコブが2つあるような「ω」形をしている場合や突出が少なく分からない場合など個人差があります。
そのため、precentral knob だけに頼らず帯状溝辺縁枝も指標にして中心溝を同定していく必要があるのです。
◆ 今日のリハゴリ倶楽部
- 中心溝を同定する方法として、帯状溝辺縁枝と precentral knob の2つがある。
- 帯状溝辺縁枝は大脳半球内側面で一番太い脳溝である。
- precentral knob は手指の運動野で「Ω」のような形をしている。