ブローカ野とウェルニッケ野の場所を見つけるポイントとは?
Broca(ブローカ)野は優位半球(通常は左)の前頭葉に存在していて、発語・書字など運動性言語の役割を担う場所です。Broca野が障害されると運動性失語(Broca失語)が出現します。
Wernicke(ウェルニッケ)野は優位半球(通常は左)の側頭葉に存在していて、言語理解など感覚性言語の役割を担う場所です。Wernicke 野が障害されると感覚性失語(Wernicke失語)が出現します。
優位半球は利き手と関連性があるが、全般的には90%以上が左大脳半球にある。(市川博雄, 2014)
そこで今回は脳画像から失語の種類を評価できるようにBroca野とWernicke野の同定方法について記載していきたいと思います。
◆ まず外側溝の見つけかたとは??
Broca野とWernicke野の同定方法を知る前に、まず外側溝の同定方法について記載していきます。なぜならブローカ野・ウェルニッケ野を同定するときには外側溝を指標にするからです。外側溝は前頭・頭頂葉と側頭葉を区分する脳溝です。主に以下の3つの種類があります。
横断像の脳画像で外側溝を同定するには島を指標にしていきます。
島は外側溝の奥(横断像では内側)に位置している大脳皮質です。島は脳の表層ではない場所で脳溝のようなギザギザがみられますので、とても見つけやすいです。
島から脳表層へ出ている脳溝が2本ありますが、島の前外側へ出ている溝が外側溝前上行枝、島の後外側へ出ている溝が外側溝後枝になります。
◆ ブローカ野を見つけるポイントとは??
Broca野は前述したように優位半球の前頭葉、特に下前頭回の後方に存在しています。そのBroca野ですが、実は以下の2つに分かれています。
- 三角部後部
- 弁蓋部
この三角部後部と弁蓋部の間に外側溝前上行枝という脳溝があります。
言い方を変えると外側溝前上行枝を挟むようにしてBroca野の三角部後部と弁蓋部が存在しているのです。
そのため、外側溝前上行枝を見つけることができればBroca野を同定できるのです。
◆ ウェルニッケ野を見つけるポイントとは??
Wernicke野も前述したように優位半球の側頭葉、特に上側頭回の後方に存在しています。脳画像の横断像でWernicke野を同定するためには外側溝後枝を指標とします。
Wernicke野は外側溝後枝の後下方に位置するので、脳画像の横断像では外側溝後枝の後方で同定することができます。
◆ 今日のリハゴリ倶楽部