◆ QT延長症候群(LQTS)の概要 心筋細胞の電気的な回復時間が長くなる(延長する)ことで生じる疾患のことで、心電図上のQT時間が延長します。 失神発作が繰り返し起こり、突然死に至ることもあるリスクのある疾患です。 後述しますが、原因には先天性と後天…
◆ カリウムの役割とは? カリウム(K)は細胞内のおける重要な陽イオンで、体内に存在するカリウムのほとんどが細胞内に存在しています。 細胞内に存在することで、神経や筋の興奮や情報伝達の作用を有しています。 そのため、カリウム濃度に異常がでると意…
◆ 中心性脊髄損傷とは? 近年、高齢者に好発し、注目されている疾患です。 「中心」とは脊髄の中心のことを指し、脊髄の中心部が障害される疾患のことです。 脊髄損傷は大きく「完全脊髄損傷」と「不完全脊髄損傷」に分けられますが、中心性脊髄損傷は「不完…
◆ 慢性硬膜下血腫とは? 慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)とは軽度な頭部外傷をきっかけにしばらくしてから硬膜とクモ膜の間に血腫が緩徐に溜まっていく疾患のことです。 この血腫が脳を圧迫することで様々な症状が出現します。 また、アルコー…
◆ はじめに 膝関節は理学療法士が関わる機会の多い関節です。 その理由として、変形性膝関節症患者の増加に伴って膝関節を診る機会が増えたためと思われます。 変形性膝関節症患者の多くは「可動域制限」を有していて、その「可動域制限」が関節変形をさらに…
◆ 変形性膝関節症とは? 変形性膝関節症(knee osteoarthrosis:knee OA)とは、膝関節軟骨の退行性変化により骨増殖性変化や滑膜炎症を生じることで、関節の変形や破壊をきたしてしまう疾患のことです。 obesity(肥満)による影響が大きいとされていて、変…
◆ 低酸素血症とは? 低酸素血症とはPaO2が60Torr(mmHg)を下回る場合と定義されています。 PaO2とは動脈血酸素分圧のことで、動脈血中に存在している酸素の圧力を表しています。 大気中から取り入れられた酸素は肺胞を介して動脈へ取り込まれますが、このと…
◆ 低酸素血症とは? 低酸素血症とはPaO2が60Torr(mmHg)を下回る場合と定義されています。 PaO2とは動脈血酸素分圧のことで、動脈血中に存在している酸素の圧力を表しています。 大気中から取り入れられた酸素は肺胞を介して動脈へ取り込まれますが、このと…
◆ まず、低酸素血症とは? 低酸素血症とはPaO2が60Torr(mmHg)を下回る場合と定義されています。 PaO2とは動脈血酸素分圧のことで、動脈血中に存在している酸素の圧力を表しています。 大気中から取り入れられた酸素は肺胞を介して動脈へ取り込まれますが、…
◆ 内頸動脈梗塞とは? 内頸動脈は、アテローム血栓性脳梗塞の好発部位として知られています。 アテローム血栓性脳梗塞の発症機序として、 血栓性機序 塞栓性機序 血行力学的機序 の3つがあります。 そのうち血行力学的機序による脳梗塞で、今回着目すべきポ…
◆ アテローム血栓性脳梗塞とは? 主に主幹動脈の動脈硬化(アテローム硬化)が原因となって引き起こされる脳梗塞のことです。 そのため、動脈硬化が進行している中高年に好発します。その他のアテローム性疾患、すなわち狭心症(不安定性狭心症・労作性狭心…
◆ 用語のおさらい CT:computed tomography MRI:magnetic resonance imaging T1W1:T1 weighted image T2W1:T2 weighted image FLAIR:fluid-attenuated inversion recovery DWI:diffusion weighted image MRA:magnetic resonance angiography ◆ CTとMRI…
◆ MRAとは? MRAとはMagnetic Resonance Angiographyの略で、日本語では「磁気共鳴血管画像」といいます。 MRAはMRIを用いて血管を撮影する方法のことで、造影剤を使用せずに血管を選択的に画像化することが可能な撮影法です。MRAで造影剤を使えば、さらに精…
◆ 不安定狭心症の概要 心臓を栄養する冠動脈の中に不安定プラークが動脈硬化などの影響により作られ、この不安定プラークが破綻することで血栓が形成されて急激に冠動脈が狭窄して心筋虚血に至る疾患です。 重症な狭心症であり、心筋梗塞への移行や突然死の…
◆ 心筋梗塞の概要 不安定狭心症と似ていて、不安定プラークが破綻し、急激な冠動脈の閉塞によって心筋にまで影響し、壊死を引き起こした状態のことをいいます。 不安定狭心症では心筋壊死まで引き起こさない。 ◆ 心筋梗塞のメカニズム 不安定狭心症や急性心…
この記事では前回の内容に引き続き、頭頂葉の各局在を水平断画像で診る方法について記載していきたいと思います。 その他の大脳皮質各局在を水平断画像で診る方法に関しては、以下をご覧ください。 rehagori.hatenablog.com rehagori.hatenablog.com ◆ 頭頂…
◆ 頭頂葉とは?? 頭頂葉は体性感覚を担っていて、他の感覚と統合させる機能をもっています。 そんな頭頂葉は中心溝、頭頂後頭葉、シルビウス(Sylvius)裂を境にして、前頭葉、後頭葉、側頭葉と接しています。 このように他の部分と全て隣り合わせに位置し…
◆ 構成失行とは?? 昔は「構成失行」と呼ばれていましたが、現在では「構成障害」と呼ばれることが多いです。 構成失行とはいわゆる三次元での構成ができなくなってしまう症状です。三次元とは空間的という意味なので、空間的な構成や配列が困難になってし…
◆ 観念性失行とは?? 観念性失行(Ideational apraxia)は使い慣れているはずの道具や物を使うことができなくなる障害です。日常的な用具の使い方や手順を忘れて使えなくなります。 例えば、「ポットの湯をコップに注ぐ動作」の場合、ポットの湯を注ぐには…
◆ 身体失認とは?? 身体失認は以下の5つに分けられます。 身体部位失認 半側身体失認 病態失認 左右失認 手指失認 身体失認は両側性と一側性に分かれていて、両側性に含まれるのは身体部位失認・左右失認・手指失認で主に優位半球(通常は左半球)障害で生…
◆ 半側空間無視(USN)とは? 全ての視界が見えているのに無意識下では障害側と対側の物体や人物に気づかない症状のことです。 多くは右半球(劣位半球)の障害によって出現するので、左側の視界を無視してしまいます。 そのため、ご飯の時に左半分だけを食…
この記事では前頭葉の各局在を水平断画像で診る方法について記載していきたいと思います。 その他の大脳皮質各局在を水平断画像で診る方法に関しては、以下をご覧ください。 rehagori.hatenablog.com rehagori.hatenablog.com ◆ はじめに 大脳をイメージする…
この記事では側頭葉の各局在を水平断画像で診る方法について記載しています。 そのほかの大脳皮質各局在を水平断画像で同定する方法について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。 rehagori.hatenablog.com rehagori.hatenablog.com ◆ 側頭葉とは…
Broca(ブローカ)野は優位半球(通常は左)の前頭葉に存在していて、発語・書字など運動性言語の役割を担う場所です。Broca野が障害されると運動性失語(Broca失語)が出現します。 Wernicke(ウェルニッケ)野は優位半球(通常は左)の側頭葉に存在してい…
◆ 中心溝を同定する意義とは?? 中心溝とは大脳皮質にある脳溝の1つです。この中心溝は前頭葉と頭頂葉の境界にあります。 中心溝よりも前には運動野が、後ろには感覚野がありますので、中心溝を同定することで病巣部位が運動野を障害しているのか、または…
今回は、頭頂葉の障害によって出現するゲルストマン症候群に関して詳しく記載していきたいと思います。 ◆ ゲルストマン症候群とは?? 主に左角回の障害によって、手指失認・左右失認・失算・失書の4兆候を呈する症状のことです。左半球の障害ですが、症状…
臨床現場において呼吸器疾患の患者様を診るときに必須のアイテムがパルスオキシメーターです。このパルスオキシメーターで測ることができるのが経皮的動脈血酸素飽和度(以下、SpO2)です。 これを指標にリハビリを進めていくのですが、SpO2はそれほど下がっ…
前回に引き続き「リハビリ拒否患者さんに使える脳科学・心理学を活用したテクニック」について説明します。 前回の脳科学編では「立ち上がって歩き出す」ことが意欲を引き出すためにとても重要であるとお伝えしました。 なぜなら、立ち上がって歩き出すこと…
筋力トレーニングで大腿四頭筋を鍛えるときにレッグエクステンション(座位の状態から膝関節のみを伸展させる)をよく実施している光景を目にします。 従来のレッグエクステンション このようなレッグエクステンションは大腿四頭筋の中でも「二関節筋である…
◆ 動脈血液ガス分析とは? 動脈血液ガス分析とは呼吸機能検査の1つになります。 動脈血には酸素、二酸化炭素、窒素などのガスが溶け込んでいますので、それらを採取してガス分析装置で分析することで、肺や心臓、腎臓などの臓器や体液の性状などを知ることが…